カテゴリー
相続・遺言

自筆証書遺言書保管制度の利用者が亡くなられた後の流れ

自筆証書遺言書を作成し法務局に遺言書を保管されていた方が、お亡くなりになられた場合、その後はどのような流れになるのでしょうか。
法務局から誰宛に遺言書が保管されている旨の連絡がなされるのでしょうか?
他の相続人等にはどのように遺言書が保管されていることが伝わるのでしょうか?
では、順を追ってご紹介させていただきます。

死亡時通知~遺言書情報証明書~他の相続人等への通知

法務局から死亡時の通知対象者に遺言書の保管に関する通知が届く

遺言者が法務局に自筆証書遺言書の保管申請をした際に、死亡時の通知対象者欄に記入して指定された者に、法務局から死亡時通知とし「遺言書の保管に関する通知(指定による通知対象者用)が届きます。
※死亡時の通知対象者には、推定相続人・受遺者等・遺言執行者等が指定できます。

【通知書に記載されている事項】
・遺言者の氏名
・遺言者の生年月日
・遺言書保管所の名称
・保管番号
・通知書が遺言書の閲覧又は遺言書情報証明書の交付請求に利用できる旨
・ 遺言書の閲覧又は遺言書情報証明書の交付請求には予約が必要な旨

遺言書情報証明書の交付請求

上記の通知書により、遺言書の閲覧又は遺言書情報証明書の交付請求が可能となりますが、こちらでは以後の相続手続きに利用できる遺言書情報証明書の交付請求に関して、ご紹介させていただきます。
交付請求は、全国のどの遺言書保管所でも可能です。

  1. 交付請求書の作成
    交付請求書の様式及び記載例は、法務省のホームページで公開されています。
    手数料として、印紙 1,400円/1通を貼付必要
  2. 必要添付書類
    ・法定相続情報一覧図の写し(住所記載あり)があればこれのみでOK
    ・法定相続情報一覧図の写し(住所記載なし)の場合は、+相続人全員の住民票の写し
    ・法定相続情報一覧図の写しがない場合は、下記の書類が必要
     遺言者の出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本及び除籍謄本+相続人全員の戸籍謄抄本+相続人全員の住民票記載事項証明書(住民票の写し)

    ※結局は法定相続情報一覧図の交付申出と同様の書類が必要なので、まずは法定相続情報一覧図の交付申請が望ましいと考えられます。
    また、「法定相続情報証明制度活用による相続手続きの簡素化」のコラムの際にも書きましたが、のちの手続きのことを考えて住所記載ありの法定相続情報一覧図の作成をお勧めします。
  3. 法務局に交付の予約をする
    遺言書情報証明書の交付請求だけでなく、法務局にて遺言書保管制度において行う全ての手続について,あらかじめ予約が必要です。
    予約方法は次の通りです。
    ・法務局手続案内予約サービスの専用HPにおける予約
     https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/
    ・法務局(遺言書保管所)への電話又は窓口における予約
  4. 予約日時に法務局で交付請求して証明書を受け取る。
    交付請求書(印紙)・添付書類・写真付き公的身分証明書(マイナンバーカードや運転免許証等)を持参して請求する。
    書類のチェックの上問題なければ、おおよそ30分~1時間程度で証明書が即日交付されます。

    遺言書情報証明書の見本

    ※遺言書情報証明書は、登記や各種手続に利用することができます。
     また、家庭裁判所の検認は不要です。
その他の相続人等へ通知

相続人等が遺言書情報証明書の交付を受けると、遺言書保管官はその方以外の相続人等に対して遺言書を保管している旨を通知します。
この通知により、その他の相続人等も遺言書が保管されていることを知り、同様に 遺言書の閲覧又は遺言書情報証明書の交付請求をすることができます。

以上は、遺言書を法務局へ保管されている方が亡くなられた際の死亡通知からの流れですが、この流れとは別に自分を相続人や受遺者等又は遺言執行者等とする遺言書が保管されているか否かの確認ができる、「遺言書保管事実証明書」の交付請求もあります。
(ただし、遺言者が亡くなられている場合に限ります。)
今回の遺言書情報証明書を含め、自筆証書遺言書保管制度の利用をお考えの方、あるいは自筆証書遺言の作成のお考えの方はお気軽にお問合せください。

※相続・遺言のご相談はコチラまで